2012年12月21日

第3回語り部タクシー講習会

12月6日
中央タクシーさんで第3回目の語り部タクシー養成講座を行いました。
遅くなりましたが、本日はそのご報告をさせていただきます。

「語り部タクシー」とは津波の被害が大きかった仙台港周辺や仙台市若林区荒浜地区、名取市閖上地区、仙台空港周辺などをドライバーさんが震災直後の様子や復興の進行状況、震災の教訓などを乗客に「語り部」となって伝えていくという取り組みです。
個人で仙台を訪れるお客様が被災地を見たいという時にタクシーのニーズが多く、中央タクシーさんから講習を依頼され、10月から毎月1回宮城復興支援センターが講習を行っています。

講習はテキストを使っての座学からスタート致しました。

この日は天気は良かったのですが、強風の中、実地訓練も行いました。
仙台市荒浜地区→名取市閖上地区→仙台空港と回りました。

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実地訓練の後、筆記テストを受けていただき、80点以上で晴れて認定となります。

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語り部ドライバーさんが乗るタクシーにはこのようなマグネットが貼ってありお客様からもすぐにわかるようになっています。

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この日、中央タクシーさんではすでに語り部となって乗務しているドライバーさんが
この日講習を受けたドライバーさんに勉強会という形で自身の経験をお話ししていました。

実際、私が語り部としてお客様と同行している時に語り部となったドライバーさんがご案内をしている場面に何度か遭遇いたしました。
震災を風化させない取り組みが私たち宮城復興支援センターだけではなく、他でもどんどん広がっていきつつあることを嬉しく思います。

私たちも講習を行う立場として今後も被災地の情報を積極的に発信していかなければならないと改めて感じました。

担当:木村早百合
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2012年04月24日

馬場中山ふのりと和ちゃん

岩肌に赤々とへばりついている「ふのり」の採取が解禁になりました。

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朝から昼まで限られた時間の中でみなさん刈り取っていました。

このふのりは、みそ汁の具や、新潟ではそばに練り込んでへきそばとしていたり
食感と風味が良いのが特徴です。

解熱作用があり胆石等の結石を溶かす作用があると言われており、
尿管結石で3度入院したことがあり、今も石を1個保有している私としては
ぜひ食べたいと思っていたところ、

馬場中山のクラさんのところで、吉本芸人のオクトパス85が
ワカメの芯抜き作業をやっている最中に、奥さんのきくみさんが
取り立てのふのりを分けてくれました。

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久々に再開した息子の和ちゃんも、相変わらずさわやかな笑顔をしていました。

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この頂いたふのりは、私の出張中に、
妻と子供に全て食べられてしまい、とてもがっかりしましたが、
また来年この時期に、今度は買いに来ようと思います。

海は、奪うだけでなく、いろんな恩恵をくれるという漁師さんの言葉は
本当なんだと実感する今日この頃です。


担当:船田 究

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2012年04月22日

公益法人協会様が仙台市を現地視察

公益法人協会様が被災地を視察するため、
仙台市内をご案内しました。

公益法人協会さんは、日本を代表する
ヤマト財団や、トヨタ財団、キリン財団など
公益財団法人や、大手NPOなど約1600団体の会員を持つ、
日本の公益関係を代表する大きな団体です。

政府に様々な提言をしたり、会員の財団へ指導を行います。

もしも、我々が現地で本当のニーズをお伝えすることが出来なければ
被災地で活動している団体や、その他大勢の方に来る支援が
減ってしまうかもしれないという大変な重責を担った現地視察になります。


今回のテーマと内容は、
「沿岸部・平野部・山間部」それぞれの被害状況と問題
  ・空港を含む沿岸部の津波被害状況を視察
  ・平野部で表向き問題ないビルが、
   実は大規模半壊判定されて一人も住んでいないマンション視察
  ・山間部で地表が滑った団地の視察
 津波被害が無ければ、全国的に注目を浴びたはずの土地です。
 日に日に家が傾いていないか調査中の家や、赤紙を貼られたままの家があり、
 すでに解体した更地が点在しています。この地域の小学校も赤紙判定されています。

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「都市部の住民が抱える問題」
「集団移転の問題」
  ・仮設住宅内視察と現状ヒアリング
  やはり集団移転で土地の問題が進みません。
  一日も早く住む場所を決めたいと悩んでおります。
  また、これだけの災害が風化して忘れ去られることを危惧しており
  次の世代へ伝えることと、全国にもっと情報を発信しなければならない
  危機感をもっていました。

「瓦礫処理の現状視察」
  ・仙台市の瓦礫処理が成功している要因説明
  成功要因は3つあり、
  1つは、内陸部に業者が無傷で残っていた事。
  1つは、初期の行政判断が早かった事。
  1つは、1次集積所などの土地があったこと。
   今回の震災によって発生したがれき類は約135.2万tと見込まれますが,
  これは仙台市が平時に処理を行う生活ごみや事業ごみの約4年分の量に相当します。
  http://www.city.sendai.jp/hisaishien/2-9-1tekkyo.html
  3年で処理する計画が1年前倒しになる可能性があるとのこと。



「東京での被害を想定した津波の到達経路」
  ・仙台湾で起こった津波のビデオを見た後に、現場視察。
  都市部や港近くでの多方向から押し寄せる波の怖さを現場で確認しました。
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「大規模都市の抱える問題」
  ・仙台市の復興事業局長にお話をききました。
  文化による復興も計画しているとのこと。
  民間の財団による支援はこれからさらに必要になるとのこと。
  ミニバブルと呼ばれているのはごくごく一部で報道による誤解があるとのこと。

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仙台に来た方は、この町に震災が来た事を言われなければ分からないと思います。
しかし、立ち並ぶビル群の中にひっそりと大規模半壊判定されて人が住んでいなかったり
2か月も経済活動が止まっていたため、その損害を取り戻せていません。

海・平野・山の被害が一度に視察できるのは、仙台市だけです。


担当:船田 究


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2012年04月18日

公益財団法人協会様が石巻市を視察

公益法人協会様が被災地を視察するため、
石巻市内をご案内しました。
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公益法人協会さんは、日本を代表するヤマト財団や、トヨタ財団、キリン財団など
公益財団法人や、大手NPOなど約1600団体の会員を持つ、
日本の公益関係を代表する大きな団体です。

政府に様々な提言をしたり、会員の財団へ指導を行います。

2011年の4月の上旬に宮城復興支援センターの物資管理センターを視察して
その時点で何が必要かという現場のニーズを吸い上げて

集めた募金を、宮城復興支援センターのような現地の最前線で
活動するNPO等に助成して下さいました。

初期のころは、政府も誰も中間支援組織を助けてくれなかったため、
大変ありがたい支援を頂きました。


今回の視察は、現時点での被災地の状況を把握することですが、
宮城復興支援センターが公益法人協会様をご案内するため

もしも、我々が現地で本当のニーズをお伝えすることが出来なければ
被災地で活動している団体や、その他大勢の方に来る支援が
減ってしまうかもしれないという大変な重責を担った現地視察になります。

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今回は、石巻市での、
・2次産業の抱える問題
・仮設住宅の住民が抱える問題
・行政が抱える問題
・学校での危機管理の問題
その他全体的に共通する問題を、石巻出身の県議会議員さいとう正美先生からお聞きしました。

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仮設住宅では、いつも元気な自治会副会長さんが、
最近住居の事で悩んでいて、落ち込んでいたとの告白を聞きました。

石巻市役所では、さいとう先生のご紹介で
震災復興部の部長や課長にお話を聞くことができました。

やはり市役所の方も住居の問題を今一番の課題だと言っております。
具体的に言うと、

津波が来た危険エリアの住民は、
高台移転の「防災集団移転促進事業」対象になっており、
高台に移転する際の費用を国が多少負担してくれます。
 ※被災者生活再建支援金(加算支援金)200万
 ※引越代等が補助最大78万円
 ※災害復興住宅融資上限1460万の5年間利子0%、その後0.53%のためほぼ無料に近い。
 ※住宅ローン補助708万。1460万以外に借りても708万補助が受けられる。
 ※被災した土地を国が買い取ります。
家の金利を負担してもらうだけでも大変な金額が補助されます。
さらに土地が高くて買えない場合は、とりあえず借地できる制度もあります。

しかし、危険エリア外の方々は、その恩恵を受けられないため
一時金と再建補助を合わせて250万しかもらえません。
「防災集団移転促進事業」は、250万の他に、上述の支援が受けられます。


今回の問題は、
沿岸部に8mの防波堤道路を通すため
元々危険エリアに住んでいた方が、防波堤の内側になった場合
「危険エリアから外されて」しまいます。

そうなると、
元々津波を被った危険なエリアにまた住まなければなりません。

その対象件数は14000軒あるとのことで、
仮に、14000軒へ石巻市が独自で補助を出したとすると、
石巻市の年間予算がこの補助だけでなくなってしまうため国の財源が必要なのです。

そもそも、「防災集団移転促進事業」は、
http://www.mlit.go.jp/crd/chisei/boushuu/pamphlet23.pdf
別の地方行政担当者から聞いた話では、津波を想定していないのではないか
という声も聞こえてきます。


元気だった自治会副会長さんが悩んでいたのは
まさにこの問題でした。


・防波堤を作ったとしても、地震が来るたびに夜中でも一時避難する不安に怯える。
・渋滞のため、車を使って避難できないため、また車が流される。
・移住したくても、津波を被った家の買い手がいない。売れたとしても二束三文。
・移住するか、残って不安に怯えるかの選択ができない。

この悩みを石巻市だけで14000軒の家族が悩んでいます。

さらに、「防災集団移転促進事業」を使う方も土地の事で悩んでいます。

例)
国が被災した土地を買い取る価格 1坪2万×100坪=200万
新たに造成した高台住宅の土地  1坪10万×100坪=1000万 差額800万

仕事を引退した高齢者にとっては、最初の差額のハードルが高すぎて
そもそも土地を買えないという問題があります。

話は変わりますが、
2次産業(加工業)の社長にもお話を聞くことが出来ましたが、
2次産業への支援がほぼないという現実を聞きました。
補助金の申請も、2週間以内に見積もりなど全て用意しなければならないのですが、
建設ラッシュのため、見積もりを取る為の業者がなかなか来てくれません。
そもそも、書類関係を全て流されてからのスタートなので
2週間以内に書類をすべてそろえるためには
本業の時間を削りながらやるしかないため、十分な金額がおりないとのこと。

別の会社の社長に聞きましたが、
なんと、工場が4つ流されたのに、6000万しか下りなかったとのこと・・・・

6000万おりれば充分だろ!
と思った方は、製造業を知らない方です。

工場を4つ建てるには、6000万は頭金にしかなりません。

そもそも薄利多売な業界のため、
20年ローンを組んで建てた工場の支払いが終わり、
20年目から次の工場の建て替えのために貯金が始まります。

20年ローンを払い、21年目から20年お金を貯めて、
40年目に工場を建て替える。

このサイクルの途中で津波に全て流される。
ぎりぎりの利益でやり繰りしている流れがバッサリと断ち切られるのです。

1次産業(生産者)を国は守りますが、
2次産業(加工者)を国が守らないと、本当の雇用は生まれません。

雇用の創出をしたいなら、世界との競争に負けない
最新の2次産業作る為のプロジェクトを立ち上げるべきです!


公益法人協会の方々は、この事を熱心に聞かれて行きました。
国の支援ではできない2次産業の支援を
民間の財団様にぜひともお願いしたいと思います。


担当:船田 究


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posted by 宮城復興支援センター at 17:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 被災地の現状 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月09日

南三陸町さんさカフェオープンしていました

志津川高校避難所の名物内田兄弟と明美さんが
「さんさカフェ」を志津川にオープンさせていました。

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相変わらず明るくて、ぶっきらぼうで、
ブラックな笑いを振りまいておりました。

紹介した吉本芸人のオクトパス85にも、
朋ちゃん最新のオムツ芸で圧倒していました。

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どおやら、股にウイルスが入り化膿したようで
特大のオムツをはいているともちゃんは、
惜しげもなくおむつ姿を披露して、
周囲では大爆笑しておりました。


メニューを見ると、
ランチが500円、名物カレーも500円激安でした。

志津川高校避難所で集まった仲間が、
また気楽によれる場所としてNPOを作り立ち上げたとのこと。

ともちゃんは、給料をもらってない!と、
不満を言いながら働いてました。

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カフェでは、運営費を補うために、
レンガ寄付を受け付けています。

1口1万円から受けられ、寄付をしてくれた方の名前を
レンガにプリントして店内の壁に張りつけてくれます。

店内の壁は、まだまだ空いていますので、
みなさまぜひ、食事をした後に寄付をして、
自分の名前を南三陸町へ刻んでいってください。


担当:船田 究


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