仙台市の中央タクシーさんで船田が講師となり、「語り部タクシー」の養成講座を開催いたしました。
「語り部タクシー」とは津波の被害が大きかった仙台港周辺や仙台市若林区荒浜地区、名取市閖上地区、仙台空港周辺などをドライバーさんが震災直後の様子や復興の進行状況、震災の教訓などを乗客に「語り部」となって伝えていくという取り組みです。
個人で仙台を訪れるお客様が被災地を見たいという時にタクシーのニーズが多く、中央タクシーさんから講習を依頼され、このたび「語り部タクシー」の養成講座を開催する運びとなりました。
講習は中央タクシーさん会議室でテキストを使っての座学からスタートしました。
マスコミの取材も多く入りました!

真剣に船田の講義を聞くドライバーさんたち

ドライバーさんの中には仮設住宅に入居されている方もいてそれぞれが被災者でもあるので震災については十分に説明をできる状況でありましたが、具体的数値が入ったテキストで学ぶことにより、お客様への説明がより説得力を増すとおっしゃっておりました。
1時間ほど講習を受けていただいた後、次は実地訓練です。
マイクロバスに乗り込み、荒浜地区、閖上地区を回りました。
荒浜では船田の説明の後、ドライバーさんにもデモンストレーションで語り部をしてもらいました。

船田の隣にいる桜井さんは運転手歴46年のベテランなので、船田の講習内容に自分のアドリブを加え、とてもわかりやすく、また臨場感のある語り部をしてくれました。
実地訓練ではガイド中に地震が発生したとの想定で、今いる場所から仙台東部道路より内陸へ避難する訓練も行いました。
約2時間の実地訓練の後、20問の筆記テストを受けていただき、今回受講していただいた10人全員が見事合格となりました!
船田から「語り部」認定証が手渡されました。
認定証をもらい、笑顔の桜井さん。

桜井さんは「震災が風化しないよう多くの人に語り継いでいきたい。沿岸部の場合、地震が起きたらすぐに高台へ逃げるという防災知識をお客様に学んでいただき、被災地のことを真剣に考えてもらえるような案内を心がけたい」と意気込んでいました。
今回は10人の「語り部」が誕生しましたが、今後、月1回のペースで養成講座を開催し、将来的には中央タクシーさんで50人〜60人の語り部を要請し、他のタクシー会社さんにも呼びかけ、語り部を増やしていきたいと考えております。
「語り部」となったドライバーさんには震災を後世に語り継ぐ使命感を持って案内をしていただきたいです。
担当:木村早百合