南三陸町石浜の佐藤さんの船に乗せてもらいました。
最初は上手くいかなくても、何度か乗るうちに覚えて
お役に立てるようになるだろうという安易な考えで乗りましたが
一回でその思いは打ち砕かれました。
船に乗る前夜に、集会場で宴会があったので参加させて頂きました。
オクトパス85も、新鮮な刺身を食べて大喜びです。


まぐろの刺身を食べて、オクトパス85が
「ここで、これが取れるんですか!?」と質問すると、
「もちろん何でもとれるぞ!」と漁師さんが答えると
漁師さんの間で大爆笑が起こります。
マグロ漁は特殊で、普通の漁師さんは獲りません。
そもそも、魚の種類に合わせて、漁の方法も道具も船の形も違うのです。
近海ものだと白身魚が大半なので、漁に行けばどんな魚でも獲れるという
都会の人の考え方が面白いようです。

その宴会の席で、船に乗る事を伝えると、皆さんの反応が悪かったのですが、
夜中の2時に宮城復興支援センター登米支部を出発して
夜中の3時に実際に船に乗ると、甘い考えだったことが分かりました。

まず、酔い止めを飲んだのに、ケンゾウは船酔いでダウン。

船田もほんのり船酔い、元気なのは親方だけ。

そして、なにより危険なのは、遠くに見える別の船の光が波で見えなくなるほど
巨大な三角波が押し寄せて、どこかに捉まっていないと、真っ暗な海に放り出されそうです。
そんな大揺れのなかで、黙々とワカメを刈り取っていましたが、
お手伝いをするつもりで乗り込んだのに、
邪魔にならないように、端っこに捉まっているのが精いっぱいでした。
漁師のねじり鉢巻きがかっこいい↓

朝日が昇るころに刈取りを終えて、漁港に戻ります。

その頃には、船酔いのケンゾウも回復しつつ・・・

親方は相変わらず元気!

漁港に水揚げしたワカメを並べて、メカブ部分を切り取り、
釜で茹でて、冷却します。
港で並べて選別↓

茹でたてのめかぶにかぶりつく親方↓

食文化の山下さんもお手伝いに↓

佐藤会長がワカメを茹でて冷却します↓

そして、家に持ち帰り、塩を混ぜて、1日寝かせます。
混ぜ終わると前日寝かせたワカメの芯を取り外す作業が始まります。


朝3時から作業して、ワカメの芯取り作業を夜まで行います。
そして数時間寝たら、また刈取りが始まります。
そんな生活を2月の末から3ヶ月も続けるので
買物に行く暇もないのです。
そんな手塩にかけた貴重なワカメは、今年は通常の1.5倍から2倍の価格で売れました。
しかし今回船に乗せて頂いた佐藤さんは、震災前の4分の1しか準備できなかった上に
種付けして育ちつつあったワカメが、トロール船にひっかけられて
ほぼ全滅してしまいました。
弱り目に祟り目とはまさにこのこと。
でも、「来年頑張るから」と笑顔で耐えているのです。
漁業の復興はまだまだ時間が掛かりますので
魚売り場で「宮城県産」のワカメや魚や貝があれば、ぜひ買って支援をお願いします!
担当:船田 究
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